備蓄米放出でも止まらない危機 重大局面はこの秋に来る

1 week 4 days ago
本誌3月号で報告した「令和の米騒動」は、私の予想通り拡大の一途をたどっている。政府は、この春から各界各層からの声に押されて備蓄米放出に踏み切ったが、私の試算では、その備蓄米の在庫もこの夏までに尽きる見通しが強まっている。「本当の危機」は、おそらくこの秋にもやってくる。コメが流通段階で目詰まりしているのではなく、絶対量そのものが不足していることは、本誌3月号既報の通りである。ウクライナ戦争で資材費・原料費の高騰が始まって以降、ギリギリのところで踏ん張っていた農家の多くが離農、廃業した。企業の倒産、廃業情報を専門に扱う東京商工リサーチによれば、コメ農家の倒産と、事業休止に当たる旧廃業・解散の合計は2023年に83件まで急増。2024年も過去最多の89件に達した。令和の米騒動が始まってすでに9か月が経つ。その間、全国のコメ農家の倒産・旧廃業件数としてあまりに少なすぎるのではないかと思う読者がほとんどだろう。東京商工リサーチが把握できるのは、企業・法人の形態を採っているものだけだ。当然のことながら、向こう三軒両隣以外の誰にも知られることなく、ひっそりと離農する個人農家の動向までは把握できていない。(黒鉄好)
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2 hours 53 minutes ago
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